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相続・遺留分

遺留分侵害額請求を考えるときに確認したいこと|期限・通知・資料

遺留分侵害額請求を考えている方へ、相続開始を知った日の記録、遺言・贈与・財産に関する資料の整理、相手方への通知、家庭裁判所の調停について説明します。

遺言や生前贈与の内容に納得できないときは、まず遺留分の問題かどうかを確認しましょう。あわせて、いつ相続や贈与・遺贈を知ったか、相手方に何を伝えたかを整理しましょう。期限が関係するため、日付と資料を早めに確認してください。

著者: 近藤 良 ・ 広島弁護士会 ・ 登録番号68207

更新日:

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遺留分侵害額請求の期限と相続資料を整理するイメージ

まず確認したいこと

遺留分侵害額請求とは、一定の相続人に保障される最低限の取り分が侵害された場合に、金銭の支払を求める手続です(遺留分と遺留分侵害額請求について、民法第1042条第1項・第1046条第1項)。遺言の有効性、遺産分割、相続放棄とは別に整理する必要があります。この説明は、2019年7月1日以降に開始した相続を対象とします。それより前に開始した相続には、改正前の遺留分減殺請求の制度が適用されます。

要点

  • 亡くなった日、相続を知った日、遺言や贈与を知った日を分けて記録する
  • 遺言書、贈与、預貯金、不動産、保険などの資料を保存する
  • 相手方へ何を、いつ、どの方法で伝えたかを残す
  • 期限が近い場合は、調停の前に通知方法も含めて確認する

遺留分侵害額請求にはどのような期限がある?

民法では、遺留分侵害額の請求権について、相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年間行使しないとき、また相続開始の時から10年を経過したときの期間制限が定められています(民法第1048条)。

亡くなった日、遺言書を見た日、生前贈与を知った日、相手方から説明を受けた日を分けて記録しましょう。期限が近いと感じる場合は、先に日付が分かる資料を集めましょう。

遺言・贈与・財産資料を分ける

遺言書の内容、亡くなる前の贈与、不動産や預貯金、生命保険、会社株式、借入などを分けて整理しましょう。手元にある資料だけで結論を出さず、まだ分からない財産や、相手方だけが持っている資料も一覧にしておきましょう。

家庭裁判所は、話合いがつかない場合や話合いができない場合に、遺留分侵害額の請求調停を利用できると案内しています。調停を考える場合も、相続関係と財産関係の資料をそろえる必要があります。

相手方への連絡では何を記録しておく?

遺留分侵害額を請求する意思を相手方に伝えたかどうかに加え、いつ、誰に、どの方法で、何を伝えたかを記録しましょう。内容証明郵便、メール、メッセージ、口頭でのやり取りなどが確認の対象です。感情的なやり取りがある場合も、削除せず、経過が分かる状態で保存しましょう。

すでに相手方から回答が来ている場合は、回答に示された金額はいくらか、どの資料を根拠としているか、支払時期はいつかを整理しましょう。その際、合意書案なども別にまとめておきましょう。署名や合意の前に、どの資料を確認できていないかを明確にしておきましょう。

資料

  • 亡くなった日、相続や遺言・贈与を知った日が分かる資料
  • 遺言書、検認調書、遺言書情報証明書など
  • 不動産、預貯金、株式、保険、贈与、債務に関する資料
  • 相手方への通知、内容証明郵便、メール、メッセージ、回答書

相談前の確認

  • 相続開始と遺留分侵害を知った経緯・日付
  • 遺言書や贈与について分かっている内容
  • 相手方に請求や連絡をしたか、返答があったか
  • 財産資料のうち、手元にあるものと不足しているもの

よくある質問

遺言書に自分の取り分がない場合、すぐ請求できますか?

請求できるかどうかを判断するには、相続人の関係はどうか、遺言に何が書かれているか、どのような財産があり、どのような贈与があったかを確認する必要があります。まず、遺言書、戸籍、財産資料を整理し、相続開始や遺留分侵害を知った日付を記録してください。

調停を申し立てれば、期限内に請求したことになりますか?

調停を申し立てるだけでは、相手方に対する遺留分侵害額請求の意思表示にはなりません。申立てとは別に、相手方へ請求の意思を表示する必要があります。期限内の意思表示と、その内容・時期を示す資料を確認してください。

出典

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