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交通事故

交通事故・休業損害

交通事故で仕事を休んだときに確認したいこと|休業損害・収入資料

交通事故で仕事を休んだ、収入が減った、有給休暇を使ったとき、勤務先資料、給与明細、確定申告書、保険会社とのやり取りを整理する記事です。

交通事故で仕事を休んだり、収入が減ったりしたときは、何日休んだか、なぜ休んだか、収入がどう変わったか、勤務先や取引先とどのようなやり取りをしたかを整理しましょう。会社員、自営業者、家事従事者など、立場によって確認する資料が変わります。家事については、誰のためにどの作業を担い、どの期間支障が出て、誰が代わりに行ったかを確認しましょう。自営業者は、所得や固定費の内容と金額、代わりに仕事をした人がいたか、その人がどの仕事をしたかを、分かる範囲で確認しましょう。役員は、報酬のどの部分が労務の対価に当たるか、どのような職務を担っていたか、報酬が実際にどのように支給されていたかを確認しましょう。分かる範囲で構いません。

著者: 近藤 良 ・ 広島弁護士会 ・ 登録番号68207

更新日:

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交通事故の休業損害と収入資料を整理するイメージ

まず確認したいこと

休業損害とは、交通事故によるけがのために仕事を休み、収入が減った場合などに問題となる損害項目です。自賠責保険等の支払基準では、傷害による損害に休業損害が含まれます(平成13年金融庁・国土交通省告示第1号の支払基準第2)。

要点

  • 休んだ日、遅刻・早退した日、有給休暇を使った日を記録する
  • 給与明細、源泉徴収票、確定申告書、売上資料などを保存する
  • 医師の説明、通院日、仕事に出られなかった理由を分けて整理する
  • 保険会社の計算書や支払額に疑問がある場合は、根拠資料を確認する
  • 家事従事者は、誰のためのどの作業にどの期間支障が出て、誰が代替したかを記録する
  • 自営業者は、売上と所得を分け、必要な固定費と代替労働の有無・内容を確認する
  • 役員は、報酬総額だけでなく、労務の対価部分、担当職務、稼働、支給実態を確認する

休んだ日と理由を記録する

事故日から現在まで、仕事を休んだ日、遅刻・早退した日、有給休暇を使った日を一覧にまとめましょう。通院のために休んだのか、痛みや体調不良で働けなかったのか、勤務先から休むよう言われたのかを区別して書きましょう。

休業損害では、仕事を休んだという事実に加え、休業が事故やけがとどのように関係しているか、収入が減ったか、それらを確認できる資料があるかが問題になります。通院日、医師の説明、勤務先との連絡も記録しておきましょう。

自賠責の支払基準では、けがのために有給休暇を使った場合も休業損害の対象となります。家事従事者が休業した場合も、実際の給与収入がなくても収入が減ったものとして扱います(平成13年金融庁・国土交通省告示第1号の支払基準第2・2(1))。対象日数は、休業の実態、けがの状態、治療日数などを踏まえて判断されます(同支払基準第2・2(2))。

収入資料を立場ごとに整理する

会社員の場合は、給与明細、源泉徴収票、休業損害証明書、勤務先とのメールなどを確認します。自営業者や個人事業主の場合は、確定申告書、売上台帳、請求書、入金履歴、キャンセルになった仕事の記録などを整理します。

家事従事者、アルバイト、役員、休職中の方などは、事情によって確認資料が変わります。自分の立場と収入の実態を説明できる資料を、分かる範囲で集めましょう。

保険会社の計算書を確認する

国土交通省の自賠責保険・共済の資料では、傷害による損害として治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料が案内されています。実際の支払額や計算方法は、資料と事情を見て確認します。

保険会社から休業損害が認められない、金額が低い、最低日額で計算されているなどの説明を受けた場合は、計算書、説明内容、提出済み資料、未提出資料を整理しましょう。

誰のために家事を担い、事故後に何ができなくなったか

家事従事者については、事故前に誰のために、どの家事を、どの程度担っていたかを確認します。事故後にできなくなった作業と期間、家族などが代わりに行った内容、治療経過や医師の説明を記録します。自分だけの身の回りの家事と、家族など他人のための家事は分けて整理します。

家族がいること、給与がないこと、性別だけで結論が決まるわけではありません。兼業の場合は給与の減収と家事の支障を分けて確認します。両者を単純に合算できるわけではなく、一定額や休業期間全体が必ず認められるわけでもありません。具体的な評価は、実際にどの家事を分担していたか、どのような支障が出たか、その支障が事故とどう関係しているか、それらを確認できる資料がどのようなものかによって異なります。

自営業の固定費と代替労働は?

自営業者や個人事業主は、売上と所得を混同せず、事故前後の所得や仕事の変化を確認します。休業中も事業の維持に必要で、避けられなかった固定費がある場合は、何のための支出で、なぜ必要だったのかを整理し、支払いを確認できる資料をそろえましょう。ただし、経費であればすべて加算できるとは限りません。

家族や従業員などが仕事を代替して減収を抑えた場合は、誰が、いつ、どの仕事を代わりに行ったか、事故前後の分担と仕事の変化を記録しましょう。固定費を支払う必要があったか、誰がどの仕事を代わりに行ったか、実際にどのような仕事をしていたか、これらの事情が事故とどのように関係しているかを、資料と合わせて事案ごとに検討します。減収や代替の有無だけで結論が決まるわけではありません。

役員報酬は何の対価?

役員報酬のうち、実際に働いたことへの対価に当たる部分はどこか、それ以外の部分はどのような性質のものかを検討します。役職名や報酬総額だけで決めず、事故前後の担当業務・稼働、会社の規模、報酬の支給実態、他の役員などとの職務・報酬の違いを記録します。

会社の売上減少と本人の休業損害は当然に同じではなく、役員報酬全額が対象になるとも限りません。結論は、実際にどのような職務を担っていたか、報酬のどの部分が労務の対価に当たるか、報酬がどのように支給されていたか、それらが事故とどう関係しているか、それらを確認できる資料がどのようなものかによって異なります。分かる範囲の資料を用意して相談しましょう。

資料

  • 休んだ日、遅刻・早退、有給休暇、通院日の一覧
  • 給与明細、源泉徴収票、休業損害証明書、勤務先との連絡記録
  • 確定申告書、売上台帳、請求書、入金履歴、キャンセル記録
  • 保険会社の計算書、支払通知、提出した資料の控え
  • 家事を担っていた対象者、具体的な作業、事故前の頻度・分担、事故後の支障期間、家族などの代替、治療経過・医師の説明の記録
  • 自営業の事故前後の所得・売上、休業中も支払った固定費の内容・必要性・支払資料、代替した人・時期・仕事の記録
  • 役員の事故前後の担当業務・稼働、会社の規模、役員報酬の支給記録、他の役員などとの職務・報酬の違いが分かる資料

相談前の確認

  • 事故後に休んだ日数と、休んだ理由
  • 事故前後の収入の変化と、確認できる資料
  • 会社員、自営業者、家事従事者など現在の立場
  • 保険会社から休業損害について言われた内容
  • 誰のために、どの家事を、どの程度担っていたか、事故後の支障期間と代わりに家事をした人・作業
  • 自営業の事故前後の所得・仕事の変化、固定費の内容・必要性、代替労働の有無・内容
  • 役員の事故前後の担当職務・稼働、報酬の支給状況、他の役員などとの職務・報酬の違い
  • 資料が未完でも、分かる範囲の事情、未提出・未入手の資料、先に確認したい点

よくある質問

有給休暇を使った場合も休業損害の対象になりますか?

はい。自賠責の支払基準では、けがのために有給休暇を使った場合、給与が減っていなくても休業損害の対象となります(平成13年金融庁・国土交通省告示第1号の支払基準第2・2(1))。いつ使ったか、事故や通院との関係、勤務先の記録を整理してください。対象日数などは、けがの状態や休業・治療の実態を見て確認します(同支払基準第2・2(2))。

自営業で収入が月ごとに違う場合も相談できますか?

相談できます。確定申告書、売上台帳、請求書、入金履歴、事故後にできなくなった仕事の記録など、収入の変化を説明できる資料を集めてください。

家事従事者や役員で資料が少なくても相談できますか?

相談できます。家事従事者の方は、事故前にどの家事を分担し、事故後にどのような支障が出て、誰が代わりに行ったかを、分かる範囲で整理してください。役員の方は、事故前後にどのような職務をどの程度行い、報酬がどのように支給されていたかなどを、分かる範囲で整理してください。未提出・未入手の資料や確認したい点も伝えられます。仕事や家事の実態と、事故との関係を資料と照らし合わせ、具体的な評価を事案ごとに検討します。

出典

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